講 師:金城 道男(NPO法人どうぶつたちの病院沖縄 副理事長)
開催日:令和2年2月4日(火)12:10~13:00
受講者:県立宜野座高等学校3年生(112名)
場 所:県立宜野座高等学校 視聴覚室

卒業を控えた3年生を対象に、地元である北部地域の自然環境を知ってもらい地元に誇りをもって卒業してほしいとの希望があり、『NPO法人どうぶつたちの病院沖縄』が取り組んでいる保全活動や沖縄の自然について講話し、自然環境と人々のつながりを考え行動するきっかけを作ることを目的に実施しました。

はじめに、講師が関わる『NPO法人どうぶつたちの病院沖縄』が、やんばるの自然に関わっている事を説明しました。次に、スクリーンに沖縄の地図を示し、宜野座村は沖縄本島の真中に位置し、特徴的な山と海沿いに集落が形成されていることを解説しました。重要なキーワードである沖縄の緯度「北緯26度29分」を世界地図で同緯度を見て比較することで、他の地域に多い砂漠地帯とは違い、海に囲まれた沖縄は雨が多く生物多様性に富んでいる事、やんばるの森は緑が多く山がある事で、海からの水蒸気が山にあたり霧や雨になり水の循環がうまれ、さらに沖縄の人口約145万と共存しており人口密度から見ても奇跡に近く、やんばるが奇跡の森と呼ばれている理由を解説しました。

後半は、沖縄の生き物について、クロイワトカゲモドキやオオコノハズク、ヤンバルクイナ、ケナガネズミ等の生態について写真を示しながら解説し、さらに外来生物対策としてマングースの例をあげ解説しました。また、やんばるでは生き物を守るための工事として、道路改修工事を行っていますが、カメが車に轢かれることなく道路を渡る事ができ、施工業者も愛着を持って看板を立てている事を解説しました。
さらに一番困っている外来生物としてノネコ問題にもふれ、ケナガネズミやヤンバルクイナ、ノグチゲラ等の希少動物が被害にあっている現状を解説し、ネコは家の中が幸せでマイクロチップを埋め込み家の中で飼うことを勧めました。

最後に、安田共同売店のプラスチックゴミ削減活動のマイバッグ貸出の紹介やヤンバルクイナ鳴き声を聴いてもらい、講師から「みなさんが社会に出た時にいい事を積極的にやろうとする事で世の中はもっと良くなります。やんばるの森、宜野座の森を守るために頑張って下さい」と締めくくりました。