講  師:佐藤 寛之(理学博士)
開催日:平成29年5月9日(月) 13:50~14:35
受講者:八重瀬町立具志頭小学校5年 2クラス(52名)
場  所:八重瀬町立具志頭小学校

具志頭小学校が環境教育の一環で、本講座を行った翌日に具志頭浜での清掃活動を控えており、本講座で「漂着物のはなし」をすることで、漂着物を「ゴミ」として認識するのではなく、漂着物によって見えてくる世界のおもしろさを伝え、さらに自分が見つけたものが何であるのかを、実際に触り、人に聞いてみたり調べてみたりしながら、自分が納得し理解することの大切さを伝えることによって、子ども達の探求心を向上させ、具志頭浜での清掃活動をより有意義な時間にしてもらうという事を目的に行った。
 「漂着物って何?」という問題提起から始まり、漂着物からわかることをいくつかの例を出しながら、漂着物がゴミでなく、自然、過去、未来、外国のことなど様々なことがわかる「異世界への入り口」を示すものであるということを説明した。次に、実際に講師が海岸で拾ったいくつかの漂着物(ウミガメの甲羅、クジラの骨、植物の種、ガラス製の浮など)を実際にこども達に触ってもらいながら、この漂着物が何であるかを予想した後、答え合わせを行った。ただ、答え合わせで漂着物の正体を教えるだけでなく、そのことから何がわかるかというところまでを子ども達と一緒に考えた。
 この講座を通して、物事を多角的にとらえる力、また、もっと知りたいという探究心を刺激できたと思う。
講座終了後には、講師が拾った漂着物を手にとりながら、漂着物に関する講座では話になかった違う角度からの質問がたくさん出るという場面があった。講座終了後の感想でも「今日の話を生かして、具志頭浜の清掃をしたい」という発言があった。ただ、漂着物を拾って海がきれいになった、ということだけではなく、そこに漂着物からわかることという深まりを加えることによって、清掃活動に面白味が増すことが期待できる。また、本講座を振り返る話し合いの場で、この清掃活動で拾った漂着物を集めて具志頭浜にはどんな漂着物が多いかという集計などができると、さらに面白味が増すのではないか、という意見もあった