◆タイトル:「学会合同 緊急シンポジウム:沖縄島と座間味島における特定外来生物グリーンアノールの現状を考える」

◆日時:2022年6月25日(土)14:00~16:30

◆申し込み方法 (6/21申し込み締め切り)
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【沖縄島と座間味島における特定外来生物グリーンアノールの現状を考える】お申込みフォーム

◆告知URL:沖縄生物学会 「沖縄島と座間味島における特定外来生物グリーンアノールの現状を考える」開催のお知らせ

◆対象:学会員、一般(学会員以外の方の参加も歓迎)

◆目的(学会通信より抜粋):本シンポジウムでは、小笠原の事例を通してみえるグリーンアノールの 潜在的な影響について確認し、またこれまで行われてきた県と国による対策事業の結果を中心に 沖縄県におけるグリーンアノールの現状を知り、研究者、関連する行政関係者、自然愛好家、そ れ以外の人たちの間でも情報の共有を図る契機とするとともに、今後打つべき対策について検討 したいと考えています。

~シンポジウムを通し て問題の深刻さを共有できればと思います。

 

◆参加費:無料

◆定員:300人

◆内容(プログラム)

 

14:00~ 趣旨説明  戸田守(琉球大)

14:10~ 『グリーンアノールが引き起こす問題はなにか? -小笠原の例から』戸田 光彦((一財)自然環境研究センター)

14:30~ 『沖縄島におけるグリーンアノールの防除事業の概要』  和宇慶 剛(沖縄県自然保護課 希少種・外来種対策班)

14:40~ 『沖縄島におけるグリーンアノールの現状と取り組み』  堀部 翔 ((株)島嶼生物研究所)

14:55~ 『座間味島におけるグリーンアノールの防除事業の概要』 小野 宏治(環境省沖縄奄美自然環境事務所)

15:05~ 『座間味島におけるグリーンアノールの現状と取り組み』 高柳 圭吾(沖縄環境科学研究所)

休 憩

 

15:25~  『座間味島におけるグリーンアノールの生態調査-食性と利用微環境からの示唆』 小林 峻(琉球大)・ 大塚 虎之介(京都大)

15:40~ 『グリーンアノールの捕獲研究Ⅱ』   伊波 寛山・小野 天寧・門脇 宇宙・稲留 柚羽・仲宗根 理子(向陽高校サイエンス部)・上原 怜(琉球大)・城間 篤(小禄高校)

15:55~ 『市民活動としてグリーンアノールと向き合う』   藤井 晴彦(沖縄自然環境ファンクラブ)

16:10~  総合討論  司会:戸田守

 

◆会場:オンライン(Zoom)

◆共催:九州沖縄植物学会・日本動物学会九州支部・日本生態学会九州地区会、沖縄生物学会

◆問合せ先:竹村明洋(琉球大学・理学部)takemura @ sci.u-ryukyu.ac.jp (※@を半角@に変更して送信ください。)

◆世話人:戸田守、竹村明洋

 

◆趣旨  「沖縄生物学会HP 通信第110号7頁より抜粋」

グリーンアノールはアメリカ合衆国南東部原産のイグアナ科のトカゲで、国内では小笠原諸島と 沖縄諸島に定着しています。
小笠原では、2000 年までに父島と母島の全域に広がり、2013 年まで に兄島にも侵入し、分布の拡大を続けています。

この間、グリーンアノールによる食害によって 多数の昆虫類が深刻なダメージを受け、特に昨年には、固有種オガサワラシジミが絶滅した可能性が高いとの大変ショッキングなニュースが流れました。

沖縄では、沖縄島の南部(那覇市と豊見城市)と、座間味島の古座間味地区で本種の定着が確認されていて、これまでに環境省と沖縄県が防除に取り組んでいます。それら防除事業関係者の努力によって多くの個体が捕獲され、個体群の成長がある程度抑制されるといった効果があったと考えられますが、それでも沖縄島と座間味島の双方で本種の分布範囲はじわじわと拡大しており、少なくとも、これまでと同じ規模の対策だけを続けていたのでは、グリーンアノールの拡散防止は難しいという実態が見えてきました。外来種対策は、当該種の分布域が広がれば広がるほど、その現状維持(=少なくともそれ以上広げないこと)にかけねばならない労力は増大していきます。両島での最新の分布調査の結果は、いよいよ分布の拡大が一気に進みかねない臨界点に近い状態にあることを示していて、早急に新たな対策を打たなければ、いよいよ全体の封じ込めは見込めない状態に陥ってしまう可能性 が高いと考えられます。本シンポジウムでは、小笠原の事例を通してみえるグリーンアノールの潜在的な影響について確認し、またこれまで行われてきた県と国による対策事業の結果を中心に沖縄県におけるグリーンアノールの現状を知り、研究者、関連する行政関係者、自然愛好家、それ以外の人たちの間でも情報の共有を図る契機とするとともに、今後打つべき対策について検討したいと考えています。冒頭で触れたように、グリーンアノールの外来種としての侵略性は高く、その影響は地域の生態系に広く及んで絶滅の連鎖などをも引き起こしかねません。加えてアノールトカゲの仲間は、ヤモリ類と同じように壁に吸着する指下板を備えていて、物資に付いて容易に運ばれるため、ひとたび沖縄島の主要な港や座間味港の周辺で蔓延してしまえば、別の島へも飛び火してしまう危険性が非常に高いです。すなわち、この問題は2島だけの問題ではありません。一方、沖縄島だけを考えても、北部には世界自然遺産の登録地があり、希少種・固有種の存続を脅かすグリーンアノールの侵入は、その遺産価値を大きく減じる主要因にもなりかねません。 シンポジウムを通して問題の深刻さを共有できればと思います。