講 師:名嘉 猛留(昆虫研究家)
開催日:令和2年10月24日(土)10:00~12:00
※沖縄県新型コロナウィルス緊急事態宣言のため8/30から延期しました
受講者:一般県民 (20名)
場   所:沖縄こどもの国チルドレンズセンター2階及び1階芝生広場

身近なアリの観察を通して、自然環境に興味関心を抱き、「ヒアリ」等の外来種問題についてもふれ環境保全活動について考え行動する事を目的に実施しました。

アリについての講話と屋外にて身近なアリの採取を行いルーペや顕微鏡で観察、同定し解説するという流れで実施しました。

はじめに、講師から『アリは昆虫の中でもハチ目アリ科に属するハチの仲間』で、ヒアリは『地中に巣を作る翅のないハチ』の仲間と考えるとイメージがしやすい。さらに地中に巣を作り夜に行動する事にも成功し、『触角』が発達している事や身体のつくり、社会性昆虫であるアリが巣ごとに大家族で生活し地球上のアリは密林からコンクリートまで幅広く分布しており、地球はアリの惑星だとアリの魅力を解説しました。さらに日本産アリ300種のうちおよそ半分の150種のアリが沖縄に暮らしており、『ハナナガアリ』『メダカダルマアリ』『ウスキオオアリ』『オキナワムカシアリ』等沖縄の固有種も紹介しました。

次にチルドレンズセンター1階芝生広場に移動しアリの採集を行い、チャック付きポリ袋にアリを集めました。

室内に戻り、家の周辺等でよく見るアリランキングトップ11として『なじみのアリ11種』を写真パネルで示しながら解説し、参加者は採集したアリを虫眼鏡や顕微鏡を使って観察しました。さらに講師がマイクロスコープを使いモニターにアリの拡大映像を投影し詳しく身体の特徴を解説しました。

近年、沖縄でも侵入が警戒されている外来種の『ヒアリ』について、侵入・定着の予防に一番効果的だと考えられているのは、『どのアリがヒアリなのか見分けられる目と関心を私たち一般市民がもつこと』だと話し、アリの侵入段階に早い段階で気づいて対策を講じることが大事で今回解説した『なじみのアリ11種』とヒアリの特徴の違いを詳しく解説しました。

最後にアリを通して自然の面白さ、地元沖縄のことを知ってほしい、何気ない生き物たちがどのような歴史を経てそこにいるのか興味を持ってもらえたら、もっと生き物の観察が楽しくなると思います。いろんな自然に目を向けていろんな事を発見してくれたら嬉しいと締めくくり終了しました。