講  師:田村 常雄
開催日:令和元年6月24日(月)19:00~21:00
受講者:沖縄県立コザ高等学校定時制課程 2年生 20名
場  所:沖縄県立コザ高等学校 理科室

 自然や環境に関わる仕事を行う様々な人材を学生に紹介したいという要望を受け、沖縄では身近な自然環境のひとつである洞窟の調査等の仕事をしている講師に生き物について伝えることにより、地域の自然に興味を持ってもらうことを目的に実施しました。
 講師から「洞窟って知っている?」の問いかけからはじまり、受講者にとって洞窟という正解は全くの異世界であり、なかなか想像がつかないようでした。洞窟は沖縄の「ガマ」であることを伝えると身近にあることに気づいたようでした。世界や日本の洞窟の長さベスト3や、深さベスト3などの洞窟を紹介しながら、洞窟とはどういった環境であるかを解説しました。そして、沖縄の石灰岩地帯には洞窟が多数あり、家屋の近くや那覇の公園の近くなど身近な場所にあり、わかっているだけで637個あり、おそらく800以上はあるそうです。
 光がとおらない洞窟には、洞窟ならではの生態系が確立されており、そこにしか生息しない生物もいます。そんな洞窟の環境に適応した貝類や魚類、小型コウモリなどを写真で紹介しました。沖縄では街中などに開発を免れた洞窟があり、本島中南部では野生動物たちの住処が減少しているが、そんな野生動物たちのシェルターとしての役割も洞窟はもっています。そのため洞窟にゴミを捨てたり、埋め立ててしまうとそこに暮らす生き物たちもいなくなってしまいます。講師は、洞窟の世界を少しでも知ってもらい地域の自然について興味を持ってもらえたらと講話をしめくくりました。講話後に、洞窟の中に入る疑似体験を受講者に体験してもらい、最後に講師が洞窟内で調査する際に必要な技術である懸垂下降を行い受講者に見てもらいまいした。
 受講者は洞窟という未知の世界について、思っていた事と違っていた事もたくさんあったようで、活発に質問を投げかけていた。受講者からは、「今まで洞窟がただの穴だと思っていたけど、講話を聴いて知らない事だらけだったので興味がわいた」などの感想が聞けました。また、「探検をするかのように楽しく講話を聞くことができた」などの感想もありました。
 これからも知ってるようで知らない洞窟の世界を伝えていきたいと感じました。