講 師:比嘉 香織、金尾 由恵(沖縄こどもの国)
開催日:令和3年5月20日(木)16:00~17:00
受講者:県立沖縄盲学校 教職員 (10名)
場   所:県立沖縄盲学校

盲学校の教職員向けに、陸ガメ、ウミガメ等の標本をさわりながら、カメとはどんな生きものなのか、陸ガメと海ガメの違いを触って体験し考え、言葉で表現するワークショップを実施しました。沖縄盲学校での講座は2019年度から続けており、今回で3回目の実施です。

教職員に、児童役、先生役になってもらい、児童役の教諭にはアイマスクを付けてもらいカメの標本に触り観察し、先生役の教諭はどのような声をすると良いのか、触った感覚を言葉にするサポート方法を考えながら、それぞれのカメの違いについてどう質問したら言葉にしやすいのかをワークショップを通じて意見を交わしながら進めました。

こどもの国から持参したアオウミガメ、ムツアシガメ、イシガメ等の標本を用いて、カメの身体(甲羅、頭、足の形)を触察した。甲羅の形、足の形からウミガメかリクガメかを判断してもらい、足形が平べったい形なのでウミガメではないか?足の形がトゲトゲなのでリクガメでは?等の意見が聞けました。カメの甲羅だけの標本を観察しながら甲羅が肋骨が背骨がくっついて板のようになっており、カメの肩甲骨が肋骨の内側になっている事等を解説しました。

講座終了後は、教員、講師と振り返りを行いました。視覚に障害のある児童たちの学びは、体験を通してイメージを得て、そのイメージを言葉で表現します。教師や友達とのコミュニケーションによってイメージを深め、より正確な言語表現をして、知識として定着させるとういうプロセスで進むと考えられており、これは「主体的・対話的で深い学びの実現」にも共通するものだといえます。自然観察にしても足元が安全であることが大前提であり、児童の発達段階にあった教材がまだまだ少ないことや生物系の教材のほとんどが触れない標本であり今回の標本はしっかり時間をかけて一人一人触察ができたとの意見を頂きました。

あらゆる人たちの対象に合わせた環境教育の在り方や手法を研究しすべての人たちに環境保全について啓発活動を行っていきたいと感じました。