講  師:吉村 正志(沖縄科学技術大学院大学 研修員、農学博士)
開催日:平成30年8月14日(火) 10:00~12:00
参加者:アフタースクール・エデュコ 小学生 (20名)
場  所:アフタースクール・エデュコ(浦添市)

 アフタースクールエデュコは、琉球新報サイエンスクラブに「身近なアリの見分け方」として研究内容が選ばれ、学童の児童たちが身近な場所のアリを学んでいる。専門家によるアリの見分け方や研究のアドバイス、アリの面白い生態について講座を実施し自然環境保全にも興味関心を持ってもらう事を目的に実施した。
 児童約30数名が、夏休みを中心に 各自の家、近くの公園、祖父母宅や行楽地等で採取したアリの種類をアルコール保存し標本にしており、本講座では、その標本を用いて講師から種類を判別する方法を伝授し、個々に顕微鏡と大型モニターを用いて具体的な生体確認・種類判別を実施した。
 判別の方法として、腹柄節の数と形が第一のポイントである。次にあごの形、触覚の節の数等で判別する。判別には日本産アリデーターを用いる事を解説した。今後の児童の活動として引き続き各種で採取するともに、種類別に生息地の分布図を作成していく予定である。
 また、児童が宜野湾市大山(ターム畑)より採取したアリを例に、農作業中に農家を噛むことから農業従事者に嫌われがちなクロトゲアリアリだが、実は害虫を駆除する益虫だと、あらためてアリとの共存の大切さを確認した。今回、児童が採取した中には外来種アリはなかったが、ヒアリを含め侵略的外来種を防ぐ為にも従来種をむやみに駆除せず、(従来種が外来種の増殖を防ぐ)共存することが大切だと学んだ。また、侵略的外来種や似ている従来種・外来種アリの見分け方の説明や拡大写真が掲載している資料の配布し、アリを採取する際の注意点を解説した。