講 師:佐藤 寛之(沖縄生物倶楽部)
開催日:令和5年6月30日(金)10:00~12:00
受講者:うるま市立具志川小学校 5年生 (50名)
場   所:県立石川青少年の家(うるま市)

具志川小学校 5年生を対象に、自然と生き物に関する理解を深め、環境保全に対する意識を高めることを目的に、出前講座を実施しました。

はじめに、石川青少年の家広場にて観察会の目的と、諸注意を行いました。
豊かな自然を楽しむことで、日常に戻ってからも自宅や学校の周囲の自然環境に興味関心を持ってほしいと伝え、また熱中症対策等の注意喚起を行い観察会に出発しました。
大人数でのフィールドワークとなるため、見通しの良い広場から登山コース入り口付近までを観察場所とし、植物や生き物の解説や遊び方のデモンストレーションを行いました。まず初めに方言名で“アカバナー”と呼ばれる『ハイビスカス』の葉っぱを児童たちに採集してもらい、ちぎる・もむ・匂いをかぐなど行った後に何の仲間かを当ててもらいました。「ねばねばするから石鹼」、「花が赤いからトマト」といった回答がある中、ハイビスカスはオクラの仲間であり、また葉っぱをちぎったときに出る成分は昔、洗髪に利用されていたことを伝えました。
つづいて、『マサキ』の葉を丸めて端をつぶすと笛になる、『ゲットウ』の葉には殺菌作用があり食材や食器、籠や織物に使われ沖縄の生活に密着している、『クワ』『テンニン』の実は食すことができると解説しました。『リュウキュウチク』で作った笛を児童に吹いてもらうと「低い音がくせになる」とおおいに盛り上がりました。他にも『ソテツ』『ネズミモチ』『ヤブニッケイ』『タブノキ』『シマトネリコ』『ススキ』などを観察しながら解説しました。その他『クロイワニイニイ』『アオカナヘビ』『キノボリトカゲ』などの小動物も観察することができました。

最後に広場にもどり、観察会のまとめとして、児童に感想を聞くと、
「自然の中には役に立つことが沢山ある」、「植物には殺菌作用になるものがたくさんあって驚いた」、「学校や家の周りでも今日見た植物を探してみようと思った。」等の感想が聞くことができました。
持続可能な社会を築いて行く上で自然環境を守ることがとても重要であり、そのためには興味を持って知ろうとすることがはじめの一歩で大切であると伝え観察会を終了しました。