講 師:金尾 由恵 (沖縄こどもの国)
記 録:大城 恵利 (沖縄県地域環境センター)
開催日:令和6年12月23日((月)) 12:05~12:55
受講者:沖縄県立那覇西高等学校 1年生 (40名)
場 所:沖縄県立那覇西高等学校 (那覇市)

沖縄県立那覇西高等学校1年生を対象に、自然と生き物に関する理解を深め、
環境保全に対する意識を高めることを目的に、出前講座を実施しました。

はじめに、講師の担当業務等自己紹介と、沖縄こどもの国の主な事業内容等について解説しました。
園についてや本日の講座の題材であるコウモリについての質問などしながら開始。まずは沖縄本島の
成り立ち、大きくは北琉球、中琉球、南琉球とに分かれ、中でもこどもの国が位置する中琉球は、
固有種と呼ばれる生き物が数多く存在するエリアで、他地域から見ても非常に魅力的なエリアである
ことなどを伝えました。
沖縄には10種のコウモリが生息し、今回はこどもの国でも飼育している「オリイオオコウモリ」を
取り上げ、生態や特徴について解説しました。食性は主に果物や花の蜜、葉っぱを食べ、咀嚼し果汁を
絞り吸うように摂取した後「ペリット」という塊にして吐き出すこと、そしてそのペリットに含まれて
いた種が各地で芽吹くため、「森をつくる生き物」と呼ばれていること、秋頃に繁殖期を迎え春頃に
出産することなど、説明に加えスライドや動画を用いて説明しました。
また補足として、主に洞窟などに生息しているリュウキュウユビナガコウモリについては、生息場所
である洞窟が観光スポットとなっている場合があり、人の出入りと繁殖・出産時期が重なると影響を
受けてしまうため、少しでもこのことを意識した行動をとってもらえたら嬉しいと付け加えました。

馴染みのある動物とは違い、初めて見聞きする内容にどの生徒も静かに耳を傾け、よくメモを取っている
姿が印象的でした。生徒からは、「翼が破れることもあるのか?」「ずっと逆さまで頭に血が昇らない
のか?」「知能はどのくらいあるのか?」と質問が次々と挙がり、また「どうやったら飼育員になれる
のか、数ある動物の中からコウモリを選んだきっかけは?」といったキャリアに関する質問も挙がり、
様々な方向に興味・関心が広がった様子でした。