講 師:佐藤 寛之 (沖縄生物俱楽部)
記 録:田場 美妃子、新城 龍刀 (沖縄県地域環境センター)
開催日:令和7年10月27日(月) 19:00~21:00
受講者:県立中部農林高等学校定時制課程 2年生 (19名)
場 所:県立中部農林高等学校 (うるま市)

県立中部農林高等学校定時制課程の2年生を対象に、自然と生き物に関する理解を深め、環境保全に対する意識を高めることを目的とした出前講座を実施しました。

今回のテーマは、生き物が「錯覚」を利用し生存確率を上げる「擬態」でした。
擬態には、目立たずに身を隠すものと、あえて目立つことで襲われないようにするものの2種類があることを説明しました。

特に、目立つ擬態としてベイツ型ミューラー型を解説しました。

  • ベイツ型擬態:毒を持つベニモンアゲハ(モデル)に、無毒のシロオビアゲハ(ミミック)が似せる例を紹介。この仕組みを理解するため、パトカーと警備会社の車という身近な例を用いたところ、生徒たちは納得した様子でした。

  • ミューラー型擬態:毒を持つ生物同士が互いに似ることで捕食者への学習効果を高める戦略で、黄色と黒の模様に共通点が多いことを伝えました。

その他、眼状班(目玉模様)で全体像を大きく見せる錯覚や、分断色であえて姿を隠す工夫も紹介しました。
講師は、擬態の「洗練具合」は環境によって異なり、沖縄の擬態生物が極めて洗練されていることを説明し、擬態生物の擬態の上手さが沖縄の生態系の豊かさの証拠であると締めくくりました。

講座の終了時には、「木の写真の中に虫がいるのが全然わからなかった」と擬態の巧妙さに驚く声や、「生きものをよく観察したいと思った」といった前向きな感想が聞かれました。
また、「生きものが一生を過ごしていく工夫が知れて、生きものの生態に興味がわいた」といった感想もあり、生徒たちの自然や生き物の生態、沖縄の自然に対する興味関心を深める有意義な講座となりました。