講 師:比嘉 香織、吉岡 由恵(沖縄こどもの国)
開催日:令和元年8月22日(水)10:00~11:30
受講者:沖縄盲学校生徒、県内小中学生 保護者 (17名)
場 所:沖縄盲学校

 弱視児童を対象に、鳥の標本を用いてじっくり触り観察を通して鳥の体の特徴やそれぞれの違いを知り、児童たち自身が鳥について発見することを目的に実施し、さらに今回の講座を通して、身体の不自由な方への環境教育の在り方を探り、沖縄盲学校の教員ともに手法などを研究する意味も含め実施しました。
 教員主導で授業を進めていき講師(沖縄こどもの国)は児童への声掛けや鳥の触り方のサポート、鳥について解説を行いました。
 自己紹介のあと、2グループに分かれヤマシギ、サシバ、ズアカアオバトの標本を用いて、鳥の顔(目の位置、くちばしの形、鼻、耳の場所)を触りながら観察しました。グループ内で発見したことを児童たちから引き出し、じっくり観察すると鳥にも鼻や耳があることが発見でき、人間と鳥の違いを知る事ができました。
 つぎに鳥の羽に注目し、『羽毛』『風切り羽』『尾羽』を触り比べそれぞれの羽の役割について解説しました。そのほかに動物の毛皮や爬虫類の皮なども触り比べました。
 「自然の中で動物を探す時は、耳を使って動物の声を探そう、身体は見えないが生き物の声でそこに動物がいることが分かったり、声をたよりにどの場所にいるのかが分かったりします。いろんな音を聞き分ける事もとても大切です」と解説しました。
 講座の後半は、グループで発見した事や分かった事を発表し全体で共有しました。
 講座終了後は、教員、講師と振り返りを行いました。視覚障碍児は一つ一つの事に時間がかかり体験の機会が少なく、自然観察にしても足元が安全である事が大前提だそうです。児童の発達段階にあった教材が少ない事は生物系の教材のほとんどが触れない標本であり今回使用した標本はしっかり時間をかけて一人一人観察ができたとの意見が聞けました。
 あらゆる人たちの対象に合わせた環境教育あり方や手法を研究しすべての人がちに環境保全についての啓発活動を行っていきたいと思いました。