講 師:佐藤 寛之(理学博士)
開催日:令和3年7月13日(火)19:20~20:55
受講者:県立中部農林高等学校定時制課程 2年生(32名)
場   所:県立中部農林高等学校 理科室

地球のしくみはどうなっているか、地球の物質は何からできているのか?を紐解くことによって、今後の学習に役立ててもらい、地球や身のまわりの環境について興味関心を持って貰うことを目的に実施しました。

はじめに、宇宙空間でビッグバンなどの数回の爆発をくりかえすことにより原子が発生し、この地球上のすべては原子でできていることを解説しました。どの原子もすべて、陽子と中性子が組み合わされた原子核のまわりを電子が回っている姿をしており、陽子・中性子・電子の数や組み合わせの違いにより、異なる性質・異なる原子となるが、さまざまな物質の中身はみな同じであることを解説しました。

続いて、元素周期表について、水分子:H₂Oのように原子の種類とその数を示したものを化学式といい、化学式を構成する原子の種類を元素記号(原子記号)というが、元素には性質による一定の周期があり、それらをあらわしたものを元素周期表という。またメンデレーエフをはじめとした複数の人々の発見によって周期表の空欄が埋められ現在の元素周期表が完成していったことを解説しました。
さらに、元素周期表に基づいて準備した元素の物質を生徒に観察してもらいました。純粋な一種類のみの元素を目にすることは珍しく、生徒が興味関心を持ってじっくりと観察する様子がうかがえました。
最後に、炭素:Cについて、単体・化合物両方において非常に多様な形状をとることができるため、炭素がほかの化合物と結びついて作る化合物の種類は5,400万個にものぼり、この物質が無ければ、私たちのような生物は発生しなかったといわれていると解説しましたた。
生徒からは「化学は苦手な科目と思っていたがわかりやすく解説してもらえて興味を持てた」「目には見えない原子核の姿の説明がわかりやすかった」「金や銀、銅の実物を見ることができ、きれいだと思いました」などといった感想がありました。