講 師:佐藤 寛之(沖縄生物倶楽部)
記 録:田場 美妃子(沖縄県地域環境センター)
開催日:令和6年6月30日(日) 9:00~11:00
受講者:西原町中央公民館 親子(30名)
場 所:西原町西原東児童館及び内間御殿 (西原町)
西原町中央公民館親子を対象に、自然と生き物に関する理解を深め、環境保全に対する意識を高めることを目的に、出前講座を実施しました。
講師より、まず初めにうちまうどぅんの歴史的な成り立ちと概要について説明がありました。建造物だけでなく、周辺に生える植物も樹齢300年ほどの物が生えているので、よく観察することを勧めていました。
野外での観察が始まると、すぐにうちまうどぅん入口の木の種類や推定樹齢などについて説明がありました。フクギは防火林になるので重要な施設の周りに植えられていること、サガリバナは水辺が好きなためこの辺りはかつて湿地であったこと、オオハマボウはトイレットペーパーの代わりとされていたためこの辺りにトイレがあったことなど、生えている植物から見えてくる昔の生活などを参加者と推理しながら進みました。
また、チャーギはシロアリに食べられない、ソテツは毒抜きをすると貴重なたんぱく源になる、などの理由から琉球政府が植えることを推奨していたなどの文化的な説明もありました。
観察会の途中でリュウキュウチクを採集し、屋内に戻るとリュウキュウチクで笛づくりを行いました。植栽ばさみの扱い方、笛の作り方や吹き方のコツを教わった参加者はいくつも笛を作成し、だんだんとクオリティがあがっていく参加者もいました。
講師からは、「昔の人が大切にしてきた建物や植物は現代の人にもたくさんのことを教えてくれる。この地域の祖先が大切にしてきた場所の意味を理解し、これからどのように活用していくのか考える機会にしてほしい」と締めくくりのお話がありました。
今回の出前講座を通して、参加者たちはうちまうどぅんの歴史と自然について深く理解することができただけでなく、環境保全の大切さも改めて認識することができたようでした。