講 師:名嘉 猛留(環境省期初野生動植物種保存推進委員)
記 録:大城 恵利(沖縄県地域環境センター)
開催日:令和6年8月25日(日) 10:00~12:00
受講者:漫湖水鳥・湿地センター 小学生 (24名)
場 所:漫湖水鳥・湿地センター (豊見城市)
漫湖水鳥・湿地センター 小学生を対象に、自然と生き物に関する理解を深め、
環境保全に対する意識を高めることを目的に、出前講座を実施。
今回はアリの生態についての講座を開催。講師が自身で飼育観察している
「オモトアシナガアリ」の特徴や行動を実際に観察しながら講座は始まりました。
まず「アリって何の仲間?」という質問からスタート。脚の本数から蜂の仲間であり、
また蜂と同じようにメス中心の社会性のある生態であると解説がありました。
また、仲間同士はニオイ(フェロモン)でコミュニケーションを取り、それにより危険察知や
自分の子どもを判断、更には腹の横の穴からカビなどを防ぐ物質を出し、地面や湿気の多い
地下で生きていくための進化をしているなど、出だしから驚くような生態や特徴が数挙がり、
子どもたちのみならず保護者からも関心の声が多く聞かれました。また、中には熱心にメモを
取っている子の姿も見られました。
前半の最後には食性についての解説があり、水鳥センター周辺にはどの種のアリが多く居るのか、
またどんな食品を好むのか、を実際に食品や飲料を3ヶ所に分けて設置。15分ほど置いている間に、
子どもたちには後ほど顕微鏡で観察するためのアリ採集をしてもらいました。15分経過後、
それぞれの食品や飲料の状況を確認すると、炭水化物と脂質エリアでは好みに顕著な差が見られ
参加者全員大いに驚きました。
室内に戻り、実際に採取したアリを観察しながらセンター周辺のアリの分布状況、またそこから
推測される要因などについて解説がありました。地域や環境によってアリの分布に違いがある話から、
以前大きな話題となり流入が懸念されている「ヒアリ」を含めた多くの外来種アリについても触れ、
本来外来種であった「ツヤオオズアリ」も、更なる外来種の侵入を防ぐ役割を担っているかもしれない、
という現状があるということを知りました。
最後に、オモトアシナガアリの巣に蜜とアカムシを入れ、行動にどんな変化が見られるのかを実験!
卵がある、または幼虫を育てている期間中の巣内は特にタンパク質を必要とするとのことで、蜜から
アカムシへとどんどん移動し巣へ運び出していく様子が見られました。
今回は座学より観察や実験要素が多く、身近でありながらも知らなかったアリについて多くの発見や
学びがあり、幅広い層の参加児童生徒が意欲的に過ごしていた様子が見られ、興味関心が更に深まった
様子が見られました。





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