講 師:佐藤 寛之(沖縄生物倶楽部)
記 録:田場 美妃子(沖縄県地域環境センター)
開催日:令和6年7月3日(水) 10:30~15:30
受講者:うるま市立宮森小学校 3.5年 (140名)
場   所:うるま市立宮森小学校 (うるま市)

うるま市立宮森小学校3年生、5年生を対象に、自然と生き物に関する理解を深め、環境保全に対する意識を高めることを目的に、出前講座を実施しました。

5年生では「沖縄の自然と生き物」をテーマに講座を実施。初めに日本に生息する両生類、爬虫類の種数と沖縄に生息する種数が面積と比較すると高密度になることを解説。また琉球列島の生物相は北琉球、中琉球、南琉球の3つに分かれていること、北琉球では日本本土と共通か近縁な種が、南琉球では中国大陸・台湾と共通か近縁な種がいることを説明した後、私たちが暮らしている中琉球では、他地域で絶滅した遺存種が多いことを解説しました。
琉球列島の固有種の特徴として、生息域が小さいこと、環境の変化・競争に弱いこと、繁殖能力が低いことをあげ、開発や採集圧、外来種の流入によって数が減っていることを伝えました。
3年生では、「漂流物のお話」をテーマに講座を実施。初めに講師が採集した漂着物の実物を用意し、児童全員に触ってもらいました。持ち上げたり、撫でたり、振ったり、つついたりして、質感や重さなどを各々好きな方法で確認。児童からの反応が大きかった生き物の骨について、どの動物のどの骨か、どこで拾ったのかなど講師の経験を交えて説明しました。それから、漂着物には外国からきた植物の種やペットボトル、40年前からきたガラス製の浮きなどがあり、距離や時間を超えてここでみんなが触ることができていることを児童に伝えました。

最後に「生き物の種類の多さにびっくりした」や「沖縄の生き物が貴重なものだとわかった」、「外国の植物の種が沖縄に来ていると知らなかった」や「海でマッコウクジラの骨を拾いたいと思った」など、本日の学びや実物に触れたことにより様々な理解や知見が深まったコメントを聞くことができました。